最終更新:2026-07-19
📚 この記事は、警察庁・各都道府県警察・e-Govの法令など公的な一次情報にもとづき、航路編集部が内容を確認しています。
定年後やセカンドキャリアで、中古品の売買を新しい仕事にしたいとお考えの方が増えています。その第一歩となるのが「古物商許可」です。名前は少し堅く感じられますが、手順をひとつずつ踏めば、特別な資格や経験がなくても取得できます。このページは、古物商許可の取り方を全体像から順序立てて理解できる道しるべです。個々の論点は詳細記事へご案内しますので、まずはここで流れをつかんでください。
古物商許可とは何か
古物商許可とは、一度使用された物品や、使用のために取引された物品(これらを法律では「古物」と呼びます)を、営業として売買・交換するために必要な許可です。根拠となるのは古物営業法という法律で、盗品などの不正な流通を防ぎ、被害の回復を図ることを目的としています。中古品の市場に社会的な信頼をもたらすための仕組み、とお考えいただくとわかりやすいでしょう。
許可は、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会が与えます。一度取得すれば全国で営業でき、後述のとおり有効期限もありません。まずは「中古品を継続的に売買する事業には、法律上この許可が要る」という点を押さえておきましょう。
許可が必要な人・不要な人
ここが最初のつまずきどころです。ポイントは「利益を目的として仕入れて売るかどうか」にあります。
- 許可が不要な場合:自分が使っていた不用品を、フリマアプリなどで売るだけのケースです。自宅の片づけで出た洋服や家電を手放すのは、事業ではないため許可は要りません。
- 許可が必要な場合:転売して利益を得る目的で、他人から中古品を仕入れる場合です。いわゆる「せどり」や、仕入れた品をメルカリ等で継続的に売る行為は、これに当たります。
線引きの目安は「販売のために仕入れているか」です。最初から売る前提で買い付ければ、たとえ小規模でも古物商許可が求められます。判断に迷う場合は、無許可営業のリスクも含めて無許可営業の罰則の解説をご確認ください。
「オークションで安く買って高く売る」「セール品を仕入れて転売する」なども、反復・継続して行い利益を目的とするなら許可の対象です。回数や金額の多寡より、目的と継続性で判断されます。
取得の全体像(手数料・期間・申請先)
細かな手順に入る前に、費用・期間・窓口の三つの数字を頭に入れておくと安心です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請手数料 | 19,000円(申請時に警察署で納付。不許可や取下げでも返還されません) |
| 審査期間 | 標準で約40日(土日祝を除く)。書類準備を含めると概ね1.5〜2か月が目安 |
| 申請先 | 営業所を管轄する警察署の生活安全課(防犯係)を経由し、公安委員会が許可 |
手数料の内訳や、必要になり得る周辺費用については費用の詳細を、審査を含めたスケジュール感は期間と流れの詳細をあわせてご覧ください。
取得までの流れ(7ステップ)
実際の申請は、次の順番で進めるのが王道です。ひとつずつ確認していきましょう。
要件を確認する
まず、自分(法人なら役員全員)が許可を受けられる立場かを確認します。過去の刑罰歴など一定の事情があると許可されません。詳しくは欠格事由の解説をご覧ください。
営業所を決める
取引の拠点となる営業所を定めます。自宅でも構いませんが、賃貸物件では使用承諾が求められることがあります。要件は営業所と管理者の解説で確認できます。
取扱品目を決める
扱う古物を13の区分から選びます。主として扱う区分を一つ決め、扱う区分は複数選べます。取扱品目13区分の解説が参考になります。
書類を集める
住民票や身分証明書など、役所で取得する書類を準備します。発行から3か月以内が一般的です。一覧は必要書類の詳細で確認してください。
申請書を作成する
許可申請書・略歴書・誓約書などを作成します。書き慣れない書類ですが、質問に答えるだけで下書きができる無料の書類作成サポートもご活用ください。
警察署へ申請し手数料を納付する
営業所を管轄する警察署の生活安全課へ、書類一式を持参して申請します。この際に手数料19,000円を納めます。窓口で内容の確認を受けます。
許可証の交付を受け、開業準備を整える
約40日後に許可証が交付されます。交付後は標識(プレート)と古物台帳を用意し、営業を始められる体制を整えます。詳細は古物台帳とプレートの解説へ。
必要書類・様式・提出の可否は都道府県や管轄によって細部が異なります。最終的な必要書類・様式・可否は、必ず管轄の警察署(生活安全課)でご確認ください。
必要書類の概要(個人・法人)
書類は個人と法人で変わります。おおまかな構成は次のとおりです。
| 区分 | 主な必要書類 |
|---|---|
| 個人 | 許可申請書/略歴書(最近5年間)/本籍記載の住民票(マイナンバー記載なし)/身分証明書/誓約書/(ネット取引時)URL使用権限の疎明資料 |
| 法人 | 上記に加え、定款/登記事項証明書/役員全員分の略歴書・住民票・身分証明書・誓約書 |
ここで注意したいのが「身分証明書」です。これは運転免許証のことではなく、本籍地の市区町村が発行する、破産手続開始の決定を受けていないことなどを証明する公的書類を指します。コンビニ交付はできませんが郵送での取得は可能です。書類ごとの取り方は必要書類の詳細で丁寧に解説しています。
個人で取るか、法人で取るか
これから始める方の多くは、まず個人で許可を取得します。手続きが比較的シンプルで、費用も抑えられるためです。一方、事業として大きく育てたい、複数人で運営したいといった場合は法人での取得が向くこともあります。ただし、法人は役員全員が欠格事由に該当しないことが条件となり、書類も人数分必要です。どちらが自分に合うかは、個人か法人かの解説でご検討ください。
つまずきやすい点
申請でよく問題になるのは、次の三点です。
- 欠格事由:本人や役員が一定の刑罰歴などに該当すると許可されません。心当たりがある場合は事前に欠格事由を確認しましょう。
- 営業所:実体のある拠点が必要です。バーチャルオフィスは認められにくく、賃貸物件では使用承諾を求められることがあります。営業所と管理者をご覧ください。
- URL(ネット取引):自分のホームページやネットショップで取引するなら、URLの届出と使用権限を示す資料が必要です。詳しくはURL届出と行商の解説へ。
許可の後にやること
許可は取って終わりではありません。営業を続けるうえで、次の三大義務があります。
- 取引相手の確認義務(本人確認)
- 不正品の申告義務(盗品の疑いがあれば警察へ申告)
- 帳簿等(古物台帳)への記録義務
あわせて、営業所には標識(プレート)を掲示し、取引を古物台帳に記録します。台帳の記録は最終記載日から3年間の保存が必要です。様式や記録の仕方は古物台帳とプレートの解説にまとめています。許可が下りてから営業を始めるまでにやることは、取ったら最初にやること(営業開始前チェックリスト)で順に確認できます。
古物商許可に有効期限はなく、更新も不要です。一度取得すれば維持できます。ただし6か月以上営業を開始しない・休止すると取消しの対象となる点にはご注意ください。氏名や営業所の変更があった場合の届出は有効期限と変更届の解説をご確認ください。
まとめ
古物商許可の取り方は、要件を確認し、営業所と取扱品目を決め、書類を整えて警察署へ申請する、という一本道です。手数料は19,000円、審査は約40日、窓口は営業所を管轄する警察署の生活安全課。この三つを起点に、詳細記事を順にたどれば、初めての方でも迷わず準備を進められます。書類の作成でつまずいたら、質問に答えるだけで申請書・略歴書・誓約書の下書きができる無料の書類作成サポートもぜひご利用ください。落ち着いて一歩ずつ、新しい一歩を踏み出していきましょう。