最終更新:2026-07-19
📚 この記事は、警察庁・各都道府県警察・e-Govの法令など公的な一次情報にもとづき、航路編集部が内容を確認しています。
古物商許可の取得を調べていくと、必ず出てくるのが「欠格事由(けっかくじゆう)」という言葉です。これは、これに当てはまる人は古物商許可を受けられない、という条件をまとめたものです。定年後やセカンドキャリアで中古品の売買を始めたい方にとって、自分が該当しないかどうかは最初に確認しておきたい大切なポイントです。この記事では、古物営業法が定める欠格事由を、できるだけ平易な言葉で整理し、誤解されやすい点や不安なときの確認方法までていねいにご説明します。
欠格事由とは(該当すると許可を受けられない)
欠格事由とは、古物営業法(第4条)で定められた「許可を与えないことになっている条件」のことです。古物商許可は、盗品の流通を防ぐという防犯上の役割を担う制度のため、一定の事情がある方には許可を出さない仕組みになっています。ポイントは、複数ある項目のうち一つでも該当すると許可を受けられないという点です。逆に言えば、いずれにも当てはまらなければ、多くの方は問題なく申請へ進めます。過度に不安を感じる必要はありませんが、内容は正確に把握しておきましょう。
欠格事由は「その人が信用できないから」というより、制度の性質上あらかじめ範囲を定めているものです。大半の方は該当しませんので、まずは落ち着いて一つずつ確認していきましょう。
該当する主な項目を一覧で
古物営業法が定める欠格事由の要点を、わかりやすい言葉に置き換えて一覧にまとめました。細かな表現は法令の条文とは異なりますので、正確な判断は条文と管轄警察署の案内を基準にしてください。
| 区分 | 該当する人(要点) |
|---|---|
| 破産 | 破産手続開始の決定を受けて、復権を得ていない人 |
| 拘禁刑 | 拘禁刑(旧・懲役/禁錮。2025年の刑法改正で一本化)以上の刑を受け、5年を経過していない人 |
| 罰金刑 | 一定の財産犯などで罰金刑を受け、5年を経過していない人 |
| 暴力的行為 | 集団的・常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある人 |
| 暴力団関係 | 暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過していない人。暴力団員等がその事業活動を支配している場合も含む |
| 住居不定 | 住居の定まらない人 |
| 許可取消し | 古物営業の許可を取り消されてから5年を経過していない人(取消しに係る聴聞前の廃止届出者を含む) |
| 心身の故障 | 心身の故障により業務を適正に行えない人(一定の判断能力を欠く場合など) |
| 未成年 | 未成年者(成年擬制される場合や法定代理人に問題がない場合の例外あり) |
| 管理者 | 営業所ごとに管理者を選任すると認められない相当の理由がある人 |
| 法人役員 | 法人で、その役員のいずれかが上記に該当する場合 |
特に誤解されやすい点をていねいに
一覧を見ると心配になる項目もあるかもしれませんが、実際には誤解されやすいものが多くあります。ここでは代表的な4つを取り上げます。
自己破産は「復権を得れば」取得できます
「過去に自己破産したから古物商許可は無理」と思い込んでいる方は少なくありません。しかし欠格事由に当たるのは、正確には「破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない人」です。破産手続が終わって復権を得ていれば、この項目には該当しません。多くのケースでは免責許可の確定などによって復権しているため、過去の破産そのものが直ちに許可を妨げるわけではありません。
拘禁刑・罰金刑は「刑の執行終了などから5年」が目安
刑罰に関する項目も、期間の考え方を押さえておくと落ち着いて判断できます。拘禁刑(旧・懲役/禁錮)以上の刑や、一定の財産犯などによる罰金刑を受けた場合でも、欠格事由に当たるのは刑の執行を終えたときなどから5年を経過していない間です。5年を経過していれば、この項目には該当しなくなります。どの罪が対象になるか、いつから5年を数えるかは個別性が高いため、心当たりがある場合は自己判断せず確認することをおすすめします。
未成年者の扱いと例外
未成年者は原則として欠格事由に当たりますが、例外も定められています。婚姻などによって成年と同じように扱われる場合(成年擬制)や、法定代理人が欠格事由に該当しない場合などには、例外的に認められる余地があります。セカンドキャリアで検討される読者の方には直接関係しないことが多い項目ですが、ご家族が関わる場合の参考にしてください。
「心身の故障」の意味
「心身の故障」という表現は強く聞こえますが、これは心身の故障により古物商としての業務を適正に行えない場合を指すもので、一定の判断能力を欠く状態などが想定されています。持病があることや高齢であること自体が、そのまま該当するわけではありません。加齢や通院を理由に過度に不安を感じる必要はないと考えてよいでしょう。
ここでの説明はあくまで一般的な整理です。ご自身が該当するかどうか判断に迷う場合は、自己判断せず、管轄の警察署(生活安全課)や行政書士などの専門家に必ず確認してください。
役員・管理者も欠格事由の対象になります
欠格事由は、申請する本人だけの問題ではありません。法人で申請する場合は、役員のいずれかが欠格事由に該当すると、法人としても許可を受けられません。代表者本人に問題がなくても、ほかの役員に該当者がいれば影響しますので、法人での申請では役員全員を確認しておく必要があります。
また、営業所ごとに置く管理者も欠格事由に該当しない人でなければなりません。管理者は営業所を常勤で管理できる人を選ぶ必要があり、申請者本人が兼ねることもできます。営業所と管理者の考え方については、営業所と管理者のページであわせてご確認いただけます。
不安なときの確認方法
ここまで読んで、自分が該当するかどうか気になった方もいらっしゃると思います。欠格事由の判断は個別の事情によって変わるため、断定できない部分があります。不安なときは、次の順序で確認するとよいでしょう。
- まず本記事の一覧で、明らかに関係のない項目を除いていきます。
- 気になる項目が残った場合は、破産の復権や刑の期間など「時期」を落ち着いて整理します。
- それでも判断がつかないときは、営業所を管轄する警察署の生活安全課(防犯係)に相談します。
- より確実に進めたい場合は、行政書士などの専門家に確認や手続きの代行を依頼します。
なお、申請手数料は申請時に納付し、不許可や取下げの場合でも返還されません。だからこそ、申請の前に欠格事由の有無を確認しておくことが安心につながります。手続き全体の流れを先に知っておきたい方は、取り方の全体ガイドもご参照ください。個別の判断は、最終的に警察や専門家にご確認いただくことをおすすめします。