最終更新:2026-07-20
📚 この記事は、警察庁・各都道府県警察・e-Govの法令など公的な一次情報にもとづき、航路編集部が内容を確認しています。
古物商許可を申請するとき、多くの方が最初に迷うのが「取扱品目の区分をどう選ぶか」という点です。古物営業法では、扱う古物を13の区分に分類しており、申請書にはそのうち実際に取り扱う区分を記入し、さらに「主として取り扱う区分」を1つ指定します。ここで選んだ区分は、許可後に掲げる標識(プレート)の表示や、日々の取引にも関わってきます。この記事では、13区分の一覧と具体例、区分の選び方、そして後から変更する方法までを、これから古物商を検討される方に向けて丁寧に解説します。
古物の13区分とは
古物商許可の申請では、自分が売買や交換の対象とする古物を、あらかじめ定められた13の区分の中から選んで申請します。たとえば古着を扱うなら「衣類」、中古カメラを扱うなら「写真機類」といった具合です。申請時には、実際に取り扱う区分をすべて選択でき、そのうえで「主として取り扱う古物の区分」を1つ指定する仕組みになっています。
区分は、扱う商品の種類そのものを表しています。ここを正しく選んでおくことが、許可後にスムーズに営業を始めるための第一歩です。まずは13区分の全体像を、具体例とあわせて確認していきましょう。
13区分の一覧と具体例
13区分の正式名称と、それぞれに含まれる代表的な品物は次のとおりです。ご自身が扱おうとしている品物が、どの区分に当てはまるかを確認してみてください。
| 区分名 | 具体例 |
|---|---|
| 美術品類 | 絵画、骨董品、刀剣 など |
| 衣類 | 古着、着物 など |
| 時計・宝飾品類 | 腕時計、指輪、ネックレス などの宝飾品 |
| 自動車 | 中古自動車、その部品 |
| 自動二輪車及び原動機付自転車 | バイク、原付、その部品 |
| 自転車類 | 自転車、その部品 |
| 写真機類 | カメラ、望遠鏡 など |
| 事務機器類 | パソコン、コピー機 など |
| 機械工具類 | 工作機械、電動工具 など |
| 道具類 | 家具、楽器、ゲーム、CD・DVD、日用品 など |
| 皮革・ゴム製品類 | バッグ、靴 など |
| 書籍 | 本、古書 |
| 金券類 | 商品券、切手、チケット など |
「道具類」は家具や楽器、ゲーム、CD・DVD、日用品など幅広い品物を含む区分で、明確に他の区分へ分類しにくいものの受け皿にもなっています。取り扱う予定の品物が複数の区分にまたがる場合もありますので、迷ったときは具体例と照らし合わせて丁寧に確認しましょう。
「主として取り扱う区分」を1つ選ぶ意味
申請では、選んだ区分の中から「主として取り扱う古物の区分」を1つだけ指定します。これは、複数の区分を扱う場合でも、その営業所で中心となる品目はどれかを明らかにするためのものです。
たとえばリサイクルショップとして家具や日用品を中心に扱いつつ、あわせて古着やバッグも扱うのであれば、主として取り扱う区分は「道具類」となり、そのほかに「衣類」「皮革・ゴム製品類」も選択する、という形になります。主たる区分は標識(プレート)の中央に「◯◯商」として表示されるため、看板の役割も担う大切な指定です。
主として取り扱う区分の指定は、あくまで「中心となる品目」を示すものです。指定した区分以外は扱えない、という意味ではありません。実際に売買する可能性のある区分は、主たる区分とは別にきちんと選択しておきましょう。
区分は複数選べる。迷ったら広めに選ぶ
取扱区分は1つに絞る必要はなく、実際に扱う可能性のあるものを複数選ぶことができます。ここで大切なのは、「今すぐ扱うもの」だけでなく「将来的に扱う可能性があるもの」も視野に入れて、やや広めに選んでおくという考え方です。
というのも、申請時に選ばなかった区分の古物を後から扱いたくなった場合には、あらためて変更の手続きが必要になるためです。最初から扱う見込みのある区分を選択しておけば、その手間を省けます。もちろん、実態とかけ離れた区分まで手当たり次第に選ぶ必要はありませんが、セカンドキャリアで少しずつ扱う品物を広げていきたいとお考えの場合は、関連しそうな区分を含めて検討しておくと安心です。
後から扱う区分を増やす・変えるときは変更届が必要
営業を始めてから「新しく別の区分の古物も扱いたい」と思うことは珍しくありません。その場合は、取扱区分の追加や変更として、公安委員会への変更届(区分変更)を提出します。
取扱区分の変更は、変更後14日以内に届け出るのが原則です。区分の変更は許可証の記載事項にも関わるため、あわせて書換申請(手数料1,500円)を伴う場合があります。手続きそのものは難しいものではありませんが、届出には期限がありますので、扱う品目を広げると決めたら早めに準備するとよいでしょう。詳しい流れは変更届(区分変更)のページで解説しています。
取扱区分の選び方や変更手続きの細かな運用は、都道府県によって取り扱いが異なる場合があります。申請前・変更前には、必ず営業所の所在地を管轄する警察署(生活安全課・防犯係)に確認してください。
区分と仕入れ先の関係
取扱区分は、どこから商品を仕入れるかという「仕入れ先」とも密接に関わります。古物商同士が売買を行う古物市場(古物商向けのオークション)では、区分ごとに専門の市場が開かれていることが多く、たとえば衣類なら衣類の市場、時計・宝飾品類なら宝飾専門の市場、といった具合に分かれています。
自分の取扱区分が定まっていれば、どの市場や仕入れ先を活用すればよいかも自然と見えてきます。逆に、仕入れルートを広げていく中で「この区分も扱いたい」と気づくこともあるでしょう。区分の選択と仕入れ戦略は、いわば両輪の関係にあります。仕入れの具体的な方法については古物市場を使った仕入れ戦略もあわせてご覧ください。
まとめ
取扱区分は、申請時に実際に扱う区分を複数選び、そのうち中心となる1つを「主として取り扱う区分」として指定します。迷ったときは、将来扱う可能性のある区分まで少し広めに選んでおくと、後の手間を減らせます。もし選び忘れた区分が出てきても、変更届で追加できますので、まずは無理なく始められる範囲で区分を定めてみてください。古物商許可の申請全体の流れについては取り方の全体ガイドで詳しく解説しています。