最終更新:2026-07-19

📚 この記事は、警察庁・各都道府県警察・e-Govの法令など公的な一次情報にもとづき、航路編集部が内容を確認しています。

「ネットでも中古品を売りたい」「古物市場に参加してみたい」——定年後のセカンドキャリアとして古物商を始める方から、こうしたご相談をよくいただきます。実店舗を持たずに取引を広げていくうえで欠かせないのが、「URLの届出」と「行商」という2つの考え方です。どちらも申請書に記入する項目でありながら、意味がわかりにくく戸惑いやすいところでもあります。このページでは、それぞれがどんな場面で必要になるのかを、順を追って丁寧にご説明します。

URL届出が必要になるのはどんなとき?

古物商許可では、自身のホームページやネットショップ、オークションストアなど、固有のURLを使って古物を取引する場合に、そのURLを届け出ることになっています。具体的には、次のようなケースが当てはまります。

ポイントは、「自分に割り当てられた固有のURLを使って取引するかどうか」という一点です。自分の店舗ページとして独立したアドレスを持ち、そこで売買のやり取りが完結するのであれば、そのURLの届出が求められます。ネット通販のみで営業する場合でも、サイト上に許可番号などの許可情報を表示する必要がありますので、あわせて覚えておきましょう。

使用権限疎明資料とは何ですか?

URLを届け出るときには、「使用権限疎明資料(しようけんげんそめいしりょう)」という書類を添える必要があります。少し難しい言葉ですが、要は「そのURLを、たしかにあなた自身が使う権限を持っている」ことを示す資料のことです。第三者のURLを勝手に届け出るようなことがないよう、本人との結びつきを確認するために求められます。

具体的には、次のような書類が該当します。

ご自身でドメインを取得してネットショップを構える場合は、契約時や登録時の書類・画面を保存しておくと、この疎明資料としてスムーズに用意できます。どの資料が認められるかは管轄によって運用が異なることもあるため、迷ったときは事前に確認しておくと安心です。

URLの届出があるかどうか、疎明資料として何が使えるかは、申請の準備段階で早めに整理しておきましょう。サイトを立ち上げてから慌てないよう、ドメイン取得時の記録は大切に保管しておくことをおすすめします。

メルカリ等に個人出品するだけの場合は?

「フリマアプリで転売しているけれど、URLの届出はどうなるの?」という疑問もよくいただきます。ここは混同しやすいところですので、丁寧に整理しておきましょう。

メルカリやヤフオク!といったサービスに、一利用者として個人で出品するだけで、自分専用の固有URLを持たない場合は、届け出るべきURLがないと考えられます。こうしたケースでは、申請書に「URLなし(ホームページ利用の取引をしない)」として申請することも多いのが実情です。プラットフォーム全体のURLは運営会社のものであって、出品者個人に割り当てられた固有のアドレスとは言えないためです。

一方で、同じサービス内でも「自分の店舗ページ」として独立したURLが与えられる形態(ストア出店など)であれば、そのURLが届出の対象になり得ます。ご自身の取引形態がどちらに当たるのか、判断に迷う場合は管轄の警察署に確認するのが確実です。なお、フリマアプリでの販売が趣味の延長から本格的な事業へと育ってきた方は、メルカリ副業が本業になったらもあわせてご覧ください。

行商とは何ですか?

もう一つの重要な項目が「行商(ぎょうしょう)」です。行商とは、営業所以外の場所で古物の取引を行うことを指します。たとえば次のような場面が該当します。

申請書には「行商をするか・しないか」を記入する欄があります。営業所を構えて、その中だけで取引するのであれば行商は不要ですが、少しでも外で取引する可能性があるなら「行商する」を選んでおくのが一般的です。とくに古物市場に参加して仕入れを行いたい方は、「行商する」を選ぶのが王道です。市場は営業所以外の場所での取引にあたるため、これを選んでおかないと参加できないことになりかねません。

行商従業者証と仮設店舗営業届出

行商をする際には、いくつか押さえておきたい実務上のルールがあります。

行商従業者証の携帯

従業員(従業者)に行商をさせる場合、その方には「行商従業者証」を携帯させる必要があります。営業所を離れて取引する以上、その人が正当な古物商の関係者であることを示せるようにしておくためのものです。ご家族やスタッフに買取などを任せる予定がある方は、あらかじめ用意しておきましょう。

仮設店舗営業届出は3日前まで

イベント会場などに仮設の店舗を出して営業する場合は、営業所以外での「仮設店舗営業届出」を、営業を行う日の3日前までに提出する必要があります。これは2020年の法改正で可能になった仕組みで、催事やフリーマーケットへの出店を計画している方に関わってきます。出店の予定が決まったら、日程から逆算して早めに届け出るようにしましょう。

URL届出の疎明資料、行商の取り扱い、仮設店舗営業届出の様式や提出方法は、都道府県や管轄の警察署によって細かな運用が異なることがあります。申請や届出の前に、必ず営業所を管轄する警察署の生活安全課(防犯係)へ最新の取り扱いをご確認ください。

ネット販売を本格化するなら

フリマアプリでの出品から一歩進んで、ネット販売を事業として育てていきたいとお考えなら、自分のネットショップという「受け皿」を持つことを検討する価値があります。固有のURLを持つ自分の店舗があれば、屋号やブランドを育てやすく、取引の記録も一元的に管理しやすくなります。その場合は、前述のとおりURLの届出と使用権限疎明資料が必要になりますので、開業の準備とあわせて進めておきましょう。

もちろん、ネット販売でも実店舗と同じく防犯上の義務は変わりません。取引の記録は古物台帳とプレートのページで解説しているとおり、きちんと帳簿に残していく必要があります。ネット通販のみの場合は、サイト上に許可番号などの許可情報を表示することも忘れないようにしましょう。

URL届出と行商は、どちらも「営業所の外や、ネットの世界に取引を広げるための項目」と捉えるとわかりやすいものです。ご自身がどんな形で古物を扱っていきたいのかを思い描きながら、必要な項目を選んでいきましょう。許可取得の全体像をあらためて確認したい方は、取り方の全体ガイドもあわせてご覧ください。焦らず、一つずつ整えていけば大丈夫です。

台帳・プレートの準備も確認

取引を始めたら、古物台帳の記録とプレートの掲示が必要になります。

古物台帳とプレートの記事を読む →
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