最終更新:2026-07-20
📚 この記事は、警察庁・各都道府県警察・e-Govの法令など公的な一次情報にもとづき、航路編集部が内容を確認しています。
「せどり」にもいろいろある
ひとくちに「せどり」といっても、その中身は幅広いです。家電量販店やドラッグストアの安売り品を仕入れる店舗せどり、ネット上の価格差を狙う電脳せどり、海外から仕入れる輸入せどり、リサイクルショップやフリマアプリで中古品を狙う中古せどり——手法は違っても、共通するのは「安く仕入れて、高く売る」という構造です。
この構造そのものは違法でも何でもありません。問題は、何を仕入れるかによって、古物商許可という国家資格に近い許可が必要になる場合とならない場合が分かれる、という点です。
許可の要否を分けるのは「新品か、古物か」
古物営業法が対象にしているのは、あくまで「古物」の売買です。古物とは、大まかにいえば「一度使用された物品」「使用されないまま消費者の手に渡った物品」を指します。逆にいうと、メーカーや卸・小売店から仕入れた新品を、新品のまま(未使用・未開封)転売するだけなら、古物の売買にはあたらないとされ、許可は不要とされることが多いです。
この基本ラインは、メルカリ副業が本業になったら、何が必要?でも整理したとおりです。ここではせどりに特有の、迷いやすい仕入れ先をもう少し細かく見ていきます。
迷いやすい仕入れ先をチェックする
| 仕入れ先 | 許可の要否(目安) | 考え方 |
|---|---|---|
| 家電量販店・ドラッグストアの新品 | 不要とされることが多い | メーカー・小売の正規流通に乗った新品 |
| アウトレット・型落ち品(未使用・未開封) | 不要とされることが多い | 消費者の手を経ていない新品として扱われやすい |
| メーカー直販の新古品・展示品 | 個別確認が望ましい | 消費者の使用歴の有無で判断が分かれることがある |
| リサイクルショップ・古着屋 | 必要になる可能性が高い | 明確に中古品を扱う店舗からの仕入れ |
| フリマアプリ・ネットオークションの中古品 | 必要になる可能性が高い | 個人からの中古品の買い受けにあたる |
| 古物市場(業者間オークション) | 必要(参加条件として許可が前提) | 市場側が古物商許可を入場条件にしている |
| 海外から仕入れる中古品 | 必要になる可能性が高い | 国内で古物として販売する行為である点は変わらない |
ざっくりとした感覚としては、「正規の新品ルートから外れて、誰かの手を経た物を仕入れる」瞬間に、許可が必要な領域へ入ることが多いと理解しておくと判断しやすくなります。判断に迷う品目・仕入れ先があれば、無理に自己判断せず、管轄の警察署に確認するのが確実です。
電脳せどりも例外ではない
「店舗に足を運ぶわけではないから」「ネットで完結しているから」という理由で、電脳せどりを許可の対象外と考えてしまう方がいますが、これは誤解です。仕入れ・販売の場がオンラインであっても、扱う品物が中古品(古物)であれば、店舗せどりとまったく同じ扱いになります。フリマアプリやネットオークションでの中古品仕入れを軸にした電脳せどりも、対象から外れるわけではありません。
相場を制する者が、せどりを制する
せどりで利益を出せるかどうかは、結局のところ「仕入れ値と相場の差」をどれだけ正確に、素早くつかめるかにかかっています。感覚だけで値付けをすると、売れ残って在庫を抱えるか、逆に安く売りすぎて利益が出ないか、どちらかに傾きがちです。
ここで役立つのが、過去の落札実績や売れ筋を調べられる相場データベースの活用です。仕入れ判断の前に相場を確認する習慣をつけておくと、山買い(ロット仕入れ)などの古物市場での仕入れでも、感覚に頼らない判断ができるようになります。
許可を取ってからの実務も、せどりの延長線上にある
許可が必要な仕入れ先を使うと決めたら、古物台帳への記録と、一定額以上の取引での本人確認が義務になります。面倒に感じるかもしれませんが、これは同時に「何を、いくらで、誰から仕入れたか」を自分自身が正確に把握できる仕組みでもあります。せどりの利益計算や確定申告にもそのまま役立つ記録です。詳しくは古物台帳とプレートをご覧ください。
よくある質問
新品せどりだけをしているなら、古物商許可は不要ですか?
一般的には、メーカーや小売店から仕入れた新品を、新品のまま(未使用・未開封)転売する場合は、古物営業法上の「古物」の売買にあたらないとされ、許可は不要とされることが多いです。ただし、型落ち品やアウトレット品でも、いったん消費者の手に渡った物であれば古物とみなされる場合があるため、仕入れ先の性質を確認しておくことが大切です。
ブックオフや古着屋、リサイクルショップで仕入れて転売する場合は?
これらの店舗は中古品を扱っており、そこから仕入れた品物を営利目的で反復継続して転売する行為は、古物営業法上の「古物商」に該当する可能性が高いとされています。仕入れ先が中古品を扱う店舗である時点で、許可の要否を意識する必要があります。
電脳せどり(ネット完結の仕入れ・販売)でも許可は必要になりますか?
仕入れ・販売の場がインターネット上であっても、扱う品物が中古品(古物)であれば、店舗せどりと同様に古物商許可の対象になり得ます。フリマアプリやネットオークションで中古品を仕入れる電脳せどりも例外ではありません。
海外から中古品を仕入れて国内で転売する場合は?
海外で仕入れた品物であっても、国内で古物として販売する行為である点は変わらないため、古物商許可の対象になり得ると一般的に整理されています。加えて、品目によっては関税など他の手続きが関わることもあるため、慎重な確認が必要です。
相場データベースなどのツールを使うこと自体に許可は必要ですか?
いいえ。相場や売れ筋を調べるためのデータベースサービスを利用すること自体は情報の閲覧にすぎず、古物営業法上の許可とは関係ありません。許可が必要になるのは、あくまで古物を仕入れて営利目的で反復継続して販売する行為に対してです。