最終更新:2026-07-14
古物商許可とは
古物商許可とは、古物営業法にもとづき、中古品などの「古物」を売買・交換する営業を行うために必要な許可です。営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(窓口は警察署)から交付されます。免許ではなく「許可」なので、要件を満たしていることが確認できて初めて交付される点が特徴です。
この制度がある理由はシンプルで、盗品の流通を防ぎ、被害品を早く発見するためです。だからこそ、許可を取ったあとに「誰から何を買ったか」を記録する義務(古物台帳)がセットでついてきます。手続きの面倒さの裏にある目的を理解しておくと、後の運用でつまずきません。
「古物」とは何を指すのか
古物営業法上の「古物」は、大きく分けると次の3種類です。
- 一度使用された物品
- 使用されていないが、一度取引された物品(新品同様でも、誰かが購入し所有権が移った物)
- これらに何らかの手入れ・加工をした物品
つまり「新品か中古品か」よりも「一度でも取引・使用の対象になったかどうか」が判断のポイントです。たとえば小売店から仕入れた完全な新品は古物にあたりませんが、個人が買った未開封品を買い取って売る場合は古物になります。ここを勘違いしたまま「新品未使用だけ扱うから許可は不要」と考えてしまう人がとても多いところです。
13の品目区分
申請書には「どの品目を扱うか」を書く欄があり、次の13区分から選びます。主に扱うものを1つ選び、他に扱う可能性があるものにもチェックを入れておくのが実務的です。
| 区分 | 具体例 |
|---|---|
| 美術品類 | 絵画、彫刻、書、骨董品 |
| 衣類 | 古着、着物、子供服、寝具 |
| 時計・宝飾品類 | 腕時計、指輪、貴金属、眼鏡 |
| 自動車 | 四輪車、その部品(タイヤ、カーナビ等) |
| 自動二輪車・原動機付自転車 | バイク、その部品 |
| 自転車類 | 自転車、その部品 |
| 写真機類 | カメラ、レンズ、光学器 |
| 事務機器類 | パソコン、コピー機、電卓 |
| 機械工具類 | 工作機械、電動工具、家庭用ゲーム機、スマートフォン |
| 道具類 | 家具、家電、CD・DVD、ゲームソフト、おもちゃ、楽器 |
| 皮革・ゴム製品類 | ブランドバッグ、靴、毛皮 |
| 書籍 | 本、雑誌、漫画 |
| 金券類 | 商品券、切手、乗車券、株主優待券 |
許可が必要な行為・不要な行為
| 行為の内容 | 許可の要否 |
|---|---|
| 他人から古物を買い取り、そのまま・または手を加えて販売する | 必要 |
| 他人から買い取った古物を、レンタル用として貸し出す | 必要 |
| 古物を別の古物と交換する | 必要 |
| 古物の売買を、委託を受けて代理で行う | 必要 |
| 自分が使っていた物・自分で買った未使用品だけを売る(仕入れなし) | 原則不要 |
| 無償でもらった物を、そのまま売る | 原則不要 |
| 自分が売った相手から、その物を買い戻す | 原則不要(例外あり) |
| 海外で自ら仕入れた物を、国内で売る(国内での買取が介在しない) | 原則不要 |
「不要」に分類したケースにも例外や条件が付くことがあります。事業として継続的に行う場合や、取引の形態によって判断が変わることもあるため、迷ったら管轄の警察署に相談するのが確実です。
無許可で営業した場合
古物営業法は、許可を受けずに古物営業を行うことに対して罰則を定めています。加えて、無許可が発覚するとその後しばらく許可が取れなくなるという、事業者にとって最も痛い結果を招きます。「稼げるようになってから取ればいい」という順序は、実はいちばん高くつく選択肢です。