最終更新:2026-07-14

許可証が届いた瞬間から、古物商としての義務が始まります。ここを軽く見て運用がザルになっている事業者は少なくありませんが、立入や取消のリスクは、申請時ではなく営業中に発生します。最初にルールを仕組みに落としてしまうのが結局いちばん楽です。

1. 標識(プレート)の掲示

営業所の見やすい場所に、決められた様式の標識を掲示する義務があります。あの紺色の八角形のプレートです。自宅を営業所にしている場合でも掲示が必要です(玄関の内側など、営業所内の見やすい場所で足りるのが一般的)。ネット通販で取引する場合は、サイト上に許可した公安委員会名・許可証番号・氏名(名称)の表示も必要になります。

💡 標識は警察署で買うものではなく、自分で作成・購入します。ネットで「古物商 プレート」と検索すれば2,000〜4,000円程度で作れます。規格(材質・寸法・色)が決まっているので、規格対応をうたっている業者を選んでください。

2. 取引時の本人確認

古物を買い受けるとき(=仕入れるとき)は、相手方の身元を確認する義務があります。運転免許証などの提示を受ける、非対面取引なら本人限定受取郵便を使うなど、法令で認められた方法によります。

実務でつまずきやすいのがネット仕入れの場合です。フリマアプリで個人から仕入れる場合、法令に沿った本人確認をどう満たすかは論点が多いところなので、扱う品目・仕入れ方法を決めた段階で警察署に確認しておくことを強くおすすめします。

3. 古物台帳(帳簿)への記録

取引の記録を、法令で定められた期間保存する義務があります。記録する項目は次のとおりです。

項目内容
取引年月日買受け・売却の日付
古物の品目13区分のどれか
数量点数
特徴メーカー、型番、シリアル番号、傷など識別できる情報
代価買取価格・売却価格
相手方の情報氏名、住所、職業、年齢、確認方法

記録が免除される場合(少額の取引、対象外の品目など)もありますが、例外を覚えるより「全部記録する」ほうが結局ラクです。スプレッドシートに上記の列を作り、仕入れたその場で入力する運用にしてしまいましょう。

⚠️ 記録義務の免除範囲や保存期間は、品目や取引額によって細かく分かれています(美術品・ゲームソフト・自動二輪車などは金額にかかわらず記録が必要とされるなど)。自分の扱う品目について、必ず警察署で確認してください。

4. 変更があったときの届出

氏名、住所、営業所の所在地、扱う品目、ネット取引に使うURLなどに変更があった場合は、期限内に変更届を提出する義務があります。とくに見落とされがちなのがURLの追加です。新しいECサイトやフリマアカウントで販売を始めるときは、届出が必要になる場合があります。

5. 不正品の申告

取引しようとする古物について、盗品などの疑いがあると認めたときは、警察に申告する義務があります。「妙に安い」「身元を明かしたがらない」といった取引には、事業リスクの観点からも近づかないのが賢明です。

💡 運用のコツ:台帳・本人確認・在庫管理を別々に作らず、1枚のスプレッドシートに統合してしまうこと。仕入日・仕入先・本人確認方法・品名・型番・仕入値・売却日・売価・手数料・送料まで1行で持てば、台帳義務と確定申告(棚卸)と利益管理が同時に片付きます。

💰 その1行に「利益」も入れておきましょう

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